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建設業許可で兵庫県の処分や罰則を条文と事例から徹底解説

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建設業許可で兵庫県の処分や罰則を条文と事例から徹底解説

建設業許可で兵庫県の処分や罰則を条文と事例から徹底解説

2026/08/14

建設業許可を取得している事業者にとって、建設業法違反による指示処分・営業停止処分・許可取消処分は、事業の継続に関わる重要な問題です。

建設業法では、無許可営業や許可申請等への虚偽記載、必要な届出の未提出などについて、行政処分だけでなく、違反内容によっては刑事罰が定められています。また、兵庫県では、建設業法に基づいて実施した監督処分について、処分内容や処分原因となった事実などを公表しています。

そこで本記事では、建設業法の条文、兵庫県の監督処分基準、実際に兵庫県が公表している処分事例をもとに、どのような違反が行政処分や罰則につながるのかを分かりやすく解説します。

「決算変更届を提出していない場合はどうなる?」「専任技術者に問題が生じた場合は?」「営業停止や許可取消になるのはどのようなケース?」といった、建設業者が実務上気になるポイントについても整理します。

建設業許可を適切に維持し、法令違反によるリスクを避けるために、ぜひ参考にしてください。

建設業許可手続きセンター (行政書士こうべ元町事務所)

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目次

    建設業許可違反で兵庫県から受ける行政処分とは?

    建設業法に違反した場合、違反の内容や程度に応じて、指示処分、営業停止処分、許可取消処分などの監督処分を受ける可能性があります。

    兵庫県の監督処分基準では、建設業法第28条第1項各号に該当する不正行為等について、故意または重過失による場合は原則として営業停止処分、それ以外の場合は原則として指示処分とする考え方が示されています。一方、建設業法第11条、第19条、第40条などの違反については、指示処分の対象として整理されています。

    また、建設業法第29条には許可取消しに関する規定が置かれており、取消しの原因によっては、役員等について一定期間の営業禁止が問題となる場合もあります。

    そのため、「建設業法に違反したら必ず許可取消になる」というわけではありません。どの条文に違反したのか、違反が故意・重過失によるものなのか、違反の程度や影響はどの程度なのかなどによって、処分の内容は変わります。

    以下では、まず兵庫県で問題となる3つの行政処分について、それぞれの意味と違いを確認します。

    指示処分とは?

    指示処分は、建設業法等に違反した建設業者に対して、違反の是正や再発防止など必要な措置を講じるよう求める監督処分です。

    兵庫県の監督処分基準では、建設業法第28条第1項各号に該当する不正行為等について、故意または重過失による場合は原則として営業停止処分、それ以外の場合は原則として指示処分とする考え方が示されています。また、第11条、第19条、第40条などの違反についても、指示処分の対象として具体的に挙げられています。

    したがって、「書類に不備があれば必ず指示処分」という単純な関係ではありません。違反した規定や行為の内容を確認したうえで判断されます。

    営業停止処分とは?

    営業停止処分は、一定期間、建設業の営業を停止するよう命じる処分です。

    兵庫県の監督処分基準では、建設業法第28条第1項各号に該当する不正行為等について、故意または重過失による場合は原則として営業停止処分とする考え方が示されています。さらに、無許可業者についても、一定の不正行為等が故意または重過失による場合には、原則として営業停止処分とする基準があります。

    営業停止処分を受けた場合でも、処分前に締結した請負契約に基づく建設工事については、建設業法第29条の3に基づき施工を継続することができます。兵庫県の監督処分基準の別表でも、「処分を受ける前に締結された請負契約に基づく建設工事の施工」は、営業停止期間中でも行える行為として明記されています。そのため、「営業停止になった瞬間、施工中の工事も含めてすべての業務ができなくなる」という理解は正確ではありません。

    許可取消処分とは?

    許可取消処分は、建設業許可そのものを取り消す処分です。

    建設業法第29条には、許可取消しとなる場合が規定されています。営業停止処分とは異なり、許可そのものを失うため、建設業者にとって非常に大きな影響があります。

    なお、許可取消しについても、すべての取消しが同じ効果になるわけではありません。取消原因によっては、建設業法第29条の4により、一定の役員等について5年間の営業禁止が課される場合があります。

    3つの処分の違いを比較すると

    処分 主な特徴 ポイント
    指示処分 違反の是正など必要な措置を求める 営業そのものを停止する処分ではない
    営業停止処分 一定期間、営業を停止させる 停止の範囲・期間を確認する必要がある
    許可取消処分 建設業許可を取り消す 取消原因によって営業禁止等が生じる場合がある

    ここで重要なのは、「違反=即取消」ではないということです。

    建設業許可に関する行政処分は、単純に「違反したか、しなかったか」だけで決まるものではありません。

    違反した条文・行為の内容、故意や重過失の有無、違反の程度、情状などを踏まえて処分が判断されます。

    兵庫県の監督処分基準にも、個々の処分について情状により加重・減軽を行うことが示されています。

    兵庫県における建設業許可の行政処分の実態

    兵庫県の監督処分基準はどのように使われる?

    兵庫県が建設業者に対して監督処分を行う場合は、建設業法の規定だけでなく、県が定める監督処分基準に沿って処分内容が検討されます。

    ただし、違反があれば機械的に「指示」「営業停止」「許可取消」のいずれかに振り分けられるわけではありません。違反した条文、行為の内容・程度、故意・重過失の有無、社会的影響、情状などを踏まえて判断されます。

    特に建設業法第28条第1項各号に該当する不正行為等については、兵庫県の監督処分基準上、故意または重過失による場合には原則として営業停止処分、それ以外の場合には原則として指示処分とする考え方が示されています。

    一方、建設業法第11条の変更等の届出、第19条の請負契約の内容、第40条の標識の掲示など、個別の義務違反については、指示処分の対象として具体的に定められています。

    したがって、建設業者としては「何か違反があれば直ちに営業停止になる」と考えるのではなく、どの規定に違反しているのかを正確に確認することが重要です。

    処分までの手続きと注意点

    行政処分に至る前には、行政庁による事実確認が行われます。必要に応じて、報告や資料の提出を求められることもあります。

    そのうえで、予定されている処分の内容に応じ、行政手続法に基づく聴聞または弁明の機会の付与などの手続きが行われます。

    ここで注意したいのは、処分前の手続きと、処分後に行う不服申立てを混同しないことです。

    処分前の段階では、事実関係に誤りがないか、違反状態がすでに是正されているか、どのような再発防止策を講じたかなどを整理して説明することが重要です。

    処分後にその処分自体を争う場合には、行政不服審査法による審査請求や行政事件訴訟法による取消訴訟などを検討することになります。

    兵庫県が公表する監督処分情報から何が分かる?

    兵庫県では、建設業法に基づいて行った監督処分について、処分を受けた建設業者、処分内容、処分原因となった事実などを公表しています。

    実際の処分事例を見ると、建設業法そのものの違反だけでなく、他法令違反や刑事事件などを契機として建設業法上の監督処分につながるケースもあります。

    そのため、自社のコンプライアンス管理では、建設業許可の更新や変更届だけを管理すれば足りるわけではありません。

    請負契約、施工体制、技術者配置、下請取引、他法令の遵守などを含め、事業全体として法令違反を防止する体制を整える必要があります。

    決算変更届を出していないだけで許可取消になる?

    実務上、特に注意したいのが決算変更届です。

    建設業許可業者は、毎事業年度終了後4か月以内に、工事経歴書や財務諸表などを含む変更届出書、いわゆる決算変更届を提出する必要があります。未提出は建設業法第11条に定める届出義務に違反するものであり、兵庫県の監督処分基準でも、第11条違反は指示処分の対象として具体的に挙げられています。

    また、建設業法第29条には、許可を受けた後、正当な理由がなく1年以上営業を休止した場合を許可取消しの対象とする規定があります。決算変更届を提出していないことだけをもって、直ちに「1年以上営業を休止した」と判断されるわけではありませんが、決算変更届は毎事業年度の工事実績や財務状況を行政庁に報告する重要な手続きです。長期間にわたって提出しなければ、行政庁から営業実態について確認を求められることも考えられます。

    したがって、「決算変更届を提出しなくても、更新時にまとめて出せばよい」と考えるべきではありません。監督処分や罰則のリスクを避け、建設業許可を適切に維持するという法令遵守の観点からも、毎事業年度終了後4か月以内に確実に提出することが重要です。

    営業所技術者等の要件を欠いた場合はどうなる?

    営業所技術者等や経営業務の管理責任者等、建設業許可の要件に関係する人が退職した場合には、特に注意が必要です。

    単に「届出を忘れた」という問題ではなく、代わりとなる者がいなければ、許可要件そのものを満たさなくなる可能性があるためです。

    後任者がおらず許可要件を満たさなくなった場合には、建設業法第29条に定める許可取消事由に該当します。

    そのため、役員や技術者の退職・異動が決まったときは、退職後に考えるのではなく、事前に後任者が要件を満たすか確認することが重要です。

    特に複数の営業所を設けている会社では、人事異動によって営業所ごとの技術者配置に問題が生じないよう、許可要件と人事情報を連動して管理する必要があります。

    また、建設業許可を専門とする行政書士事務所では、現在の許可要件を確認するだけでなく、将来の役員交代や技術者の退職・異動を見据え、誰を後任候補として育成していくか、どの資格や実務経験を確保しておくべきかといった中長期的な人員体制について相談できる場合もあります。

    建設業許可は、一度取得すれば終わりではありません。将来の世代交代や人員の入れ替わりによって許可要件を欠くことがないよう、早い段階から後任者の育成や資格取得を計画しておくことも、許可を安定して維持するための重要な対策です。

    条文から読み解く建設業許可の罰則ポイント

    行政処分と刑事罰は別の制度

    建設業法違反を考えるときは、「行政処分」と「刑事罰」を分けて整理する必要があります。

    指示処分、営業停止処分、許可取消処分は行政庁が行う行政処分です。

    これに対し、懲役刑や罰金刑は、建設業法の罰則規定に違反した場合に問題となる刑事罰です。

    同じ違反行為について、刑事罰を受けたことを理由として建設業法上の監督処分が行われる場合もあるため、「罰金を払えばそれで終わり」とは限りません。

    また、刑罰の内容は違反した条文によって異なります。すべての建設業法違反が「6か月以下の懲役または100万円以下の罰金」になるわけではありません。

    無許可営業は建設業法上の重い違反

    建設業法第3条第1項では、軽微な建設工事のみを請け負う場合などを除き、建設業を営もうとする者は許可を受けなければならないとされています。

    この規定に違反して無許可で許可が必要な工事を請け負った場合は、建設業法第47条の罰則対象となります。

    無許可営業は、単なる届出漏れとは異なり、建設業法上でも重く扱われる違反です。

    そのため、請負金額だけでなく、工事の内容、建築一式工事に該当するか、附帯工事として扱えるかなどを契約前に確認する必要があります。

    特に「税込か税抜か」「材料を注文者が支給する場合にどう計算するか」といった点を誤ると、本人に無許可営業の認識がなくても問題となることがあります。

    また、建設業の許可は会社単位で取得するものですが、営業所ごとに営業できる建設業の種類を適切に届け出ておく必要があります。 国土交通省の「建設業許可事務ガイドライン」では、許可を受けた建設業について、許可に係る営業所以外の営業所で営業することはできないという考え方が示されています。

    この点で特に注意したいのが、「軽微な建設工事なら問題ない」という誤解です。例えば、ある営業所では許可を受けている建設業であっても、その建設業について許可に係る営業所とされていない別の営業所で、軽微な建設工事のみを請け負う場合であっても、その営業所で当該建設業を営業することはできません。

    したがって、複数の営業所を設けている建設会社では、「会社としてその業種の許可を持っているか」だけでなく、実際に契約や見積りなどの営業活動を行う営業所が、その業種について許可に係る営業所となっているかまで確認する必要があります。

    虚偽申請・虚偽届出にも罰則がある

    許可申請や変更届などでは、当然ながら事実に基づいた内容を記載しなければなりません。

    必要な要件を満たしていないにもかかわらず、経営業務の管理責任者等や営業所技術者等について虚偽の内容を記載したり、実態のない常勤性を装ったりすれば、単なる記載ミスでは済まない場合があります。

    不正の手段によって許可を受けた場合には、重い刑事罰や許可取消しの問題につながります。一方、建設業法第11条に基づく届出をしなかった場合や虚偽の届出をした場合などについても、同法に罰則規定が設けられています。

    特に近年は、建設業許可についても電子申請が導入されるなど、行政手続のデジタル化・効率化が進められています。行政手続においても、申請者に必要以上の負担を求めるのではなく、手続の利便性を高めていくことが求められています。

    しかし、申請手続が簡便になることと、申請内容についての責任が軽くなることは全く別の問題です。 むしろ、申請者自身が事実に基づいて正しく申請することが制度の前提となる以上、故意に虚偽の内容を記載したり、不正な手段によって許可を取得したりする行為は、建設業許可制度そのものの信頼を損なう重大な行為といえます。

    兵庫県の監督処分基準でも、建設業許可や経営事項審査に係る虚偽申請など、建設業法の罰則の適用対象となる不正行為等については、「告発をもって臨むなど、法の厳正な運用に努める」と明記されています。

    したがって、申請書類に誤りが見つかった場合には、その内容を区別して考えることが非常に重要です。

    単純な誤記なのか、必要な届出をしていないのか、故意に事実と異なる内容を記載したのか、あるいは不正の手段によって許可を取得したのかによって、法的な評価は大きく異なります。

    特に、「どうせ行政には分からないだろう」「書類上だけ要件を満たしているようにしておけばよい」といった考えで虚偽の申請をすることは、絶対に避けなければなりません。 手続の利便性が高まっているからこそ、申請者側にも、事実に基づいた適正な申請を行うことがこれまで以上に求められていると考えるべきでしょう。

    法人だけでなく行為者も処罰されることがある

    建設業法には両罰規定があります。

    法人の代表者や従業員などが、その法人の業務に関して一定の違反行為をした場合には、実際に違反行為をした本人だけでなく、法人にも罰金刑が科されることがあります。

    そのため、「担当者が勝手にやったことだから会社には関係ない」という整理はできません。

    許可申請、契約、施工体制、技術者配置などについて、会社として確認する仕組みを作っておくことが重要です。

    罰金刑が許可の欠格要件につながる場合もある

    刑事罰を受けた場合には、その刑罰だけでなく、建設業許可の欠格要件との関係も確認しなければなりません。

    建設業法その他一定の法令に違反して罰金刑を受けた場合などは、建設業法第8条の欠格要件に該当し、許可の取得・維持に影響する場合があります。

    法人の場合には、法人そのものだけでなく、役員等が欠格要件に該当することで、会社の建設業許可に影響することがあります。

    実務上、特に注意したいのが、役員個人が受けた刑事処分を会社が把握していないケースです。 例えば、役員の一人が傷害事件や交通関係の違反などで刑事処分を受けていたにもかかわらず、「仕事とは関係のない個人的なことだから」と会社に報告していないことがあります。

    しかし、建設業許可の欠格要件に該当するかどうかは、会社の業務に関係して行われた犯罪かどうかだけで決まるものではありません。どの法律に違反したのか、どのような刑を受けたのかによっては、役員個人の刑事処分が会社の許可に影響することがあります。

    なお、交通違反についても、すべての違反や反則金が直ちに欠格要件に該当するわけではありません。傷害についても同様に、刑の種類や内容などを確認したうえで判断する必要があります。

    したがって、刑事事件が発生した場合には、「罰金額はいくらか」だけでなく、誰が、どの法律のどの規定に違反し、どのような刑を受け、その刑がいつ確定したのかまで確認することが重要です。

    会社としても、役員等に刑事処分を受けた場合の報告ルールを設けるなど、欠格要件に関係する事実を把握できる体制を整えておくことが、建設業許可を適切に維持するうえで重要です。

    建設業の実務で押さえるべき兵庫県の処分動向

    処分件数の増減だけで判断しない

    行政処分の動向を確認するときに、「今年は営業停止が増えた」「最近は取消しが厳しくなった」と件数だけで評価するのは適切ではありません。

    年度ごとの処分件数は、違反事件の発生状況や他機関からの情報提供などによって変動します。

    そのため、兵庫県の公表事例を見る際には、件数だけでなく、どのような違反事実に対して、どの条文を根拠として、どの処分が行われたのかを見ることが重要です。

    また、監督処分基準が改定されたからといって、それだけを理由に「営業停止や取消しが増加した」と断定することも避けるべきです。

    「うっかりミス」と「許可要件の欠如」は分けて考える

    建設業許可の実務では、書類の記載ミス、届出の遅れ、許可要件の欠如などが一括して「書類不備」と表現されることがあります。

    しかし、法的には同じではありません。

    例えば、届出書の軽微な誤記で、すぐに訂正できるものと、営業所技術者等が退職して許可要件を満たさなくなっている状態では、問題の大きさが全く異なります。

    特に注意しなければならないのが、経営業務の管理責任者等や営業所技術者等、建設業許可の要件となる者が不在となった場合です。

    これは単なる「変更届を出していない」という問題ではありません。後任者がおらず、建設業法に定める許可基準を満たさなくなった場合には、建設業法第29条に定める許可取消事由に該当し、許可行政庁は原則として許可を取り消さなければならないことになります。

    つまり、「あとから変更届を提出すればよい」という問題ではなく、許可そのものを維持できない状態になり得るということです。

    そのため、人事異動、退職、役員変更、営業所の新設・移転などがある場合には、届出期限を確認するだけでは十分ではありません。変更が生じる前に、変更後も許可要件を満たすことができるのかを確認することが重要です。

    特に経営業務の管理責任者等や営業所技術者等の退職については、退職後に後任者を探すのではなく、事前に後任候補者の経験や資格等を確認し、許可要件に空白期間が生じないようにする必要があります。

    契約書の不備は建設業法第19条を確認

    建設工事の請負契約については、建設業法第19条により、一定の事項を書面または一定の要件を満たす電磁的方法で明らかにすることが求められています。

    契約書を作成していても、必要事項が不足していれば問題となる場合があります。兵庫県の監督処分基準でも、第19条違反は指示処分の対象として具体的に挙げられています。

    また、電子メールなどで契約内容をやり取りしていれば、当然に建設業法上の「電子契約」として認められるわけではない点にも注意が必要です。建設業法上、書面に代えて電磁的方法を利用する場合には、相手方の承諾を得ることに加え、電磁的記録を作成し、内容を明確に確認できることや、その記録が改変されていないことを確認できる措置を講じることなど、法令上定められた要件を満たす必要があります。

    そのため、単純にFAXを送信したり、通常の電子メールで契約内容を送受信したりしただけで、建設業法が求める電子契約の要件を満たしていると判断することはできません。電子署名などを利用する場合にも、建設業法・建設業法施行規則が求める要件を満たしているかを確認する必要があります。

    特に注意したいのは、他の行政手続や他法令上は電子的な方法として利用できる仕組みであっても、それだけを理由に建設業法第19条の要件まで満たすとは限らないことです。 建設工事の請負契約を電子化する場合には、一般的な電子契約のイメージだけで判断せず、建設業法独自の要件を確認する必要があります。

    したがって、契約書の確認では「契約書があるか」だけでなく、法定記載事項が網羅されているか、追加・変更工事についても適切に契約内容を明確にしているか、さらに電子契約を利用する場合には建設業法上の要件を満たした方法になっているかまで確認することが重要です。

    技術者配置は「営業所」と「工事現場」を混同しない

    建設業法上の技術者制度では、建設業許可の要件として営業所に置かなければならない営業所技術者等と、個々の建設工事について工事現場に配置する主任技術者・監理技術者は、その役割が異なります。

    兵庫県の監督処分基準では、主任技術者又は監理技術者を置かなかった場合(資格要件を満たさない者を置いた場合を含む)は、15日以上の営業停止処分とされています。また、不正に資格等を取得した者を配置していた場合は30日以上の営業停止処分、現場での専任義務違反については指示処分とされ、指示に従わない場合は7日以上の営業停止処分とされています。

    営業所技術者等は、建設業許可の要件として営業所に置かれる者であり、工事現場に配置するための技術者ではありません。一方、実際に建設工事を施工する場合には、その工事について建設業法上必要となる主任技術者または監理技術者を配置する必要があります。

    また、一定の建設工事では主任技術者または監理技術者に現場専任が求められます。そのため、営業所に必要な技術者と工事現場に必要な技術者を混同せず、それぞれの要件を確認することが重要です。

    指示処分を受けた後の対応にも注意

    兵庫県の監督処分基準では、指示処分を受けた建設業者がその指示に従わなかった場合や、指示処分を受けた日から3年以内に、指示に違反して再び類似の不正行為等を行った場合には、情状を重くみて営業停止処分を行うとされています。

    そのため、「指示処分だから軽い処分」と考えるべきではありません。指示を受けた場合には、違反状態を是正するだけでなく、その原因を確認し、同じ違反を繰り返さないための社内体制を整えることが重要です。

    許可取消や営業停止の決め手となる法令違反とは

    許可取消しは建設業法第29条の取消事由を確認

    許可取消処分については、建設業法第29条に取消事由が定められています。
    例えば、許可要件を満たさなくなった場合、欠格要件に該当することとなった場合、不正の手段によって許可を受けた場合など、法律上の取消事由に該当すれば許可取消しの問題となります。

    ここで重要なのは、「重大な違反なら何でも第29条で取消しになる」というわけではないことです。
    営業停止処分の対象となる違反と、法律上、許可を取り消さなければならない事由は分けて確認する必要があります。

    なお、兵庫県の監督処分基準では、不正行為等に関する情状が特に重い場合や、営業停止処分に違反した場合には、建設業法第29条により許可取消処分を行うとされています。

    一括下請負の禁止違反にも注意

    建設業法第22条は、一括下請負を原則として禁止しています。

    元請業者が請け負った工事を実質的に関与することなく一括して他社に請け負わせる場合だけでなく、下請業者が請け負った工事をさらに一括して他社に請け負わせる場合も問題となります。

    「下請に全部任せたが、契約上は元請だから問題ない」というものではありません。

    施工体制の実態が重要となるため、元請としてどのように施工計画、工程管理、品質管理、安全管理、下請業者への指導監督などに関与しているかを確認する必要があります。

    兵庫県の監督処分基準では、建設業法第22条の一括下請負禁止に違反した場合、15日以上の営業停止処分とされています。なお、工事を一括して請け負った建設業者について、元請負人が施工管理等について契約を誠実に履行していない場合など、酌量すべき情状があるときは、営業停止期間について必要な減軽を行うこととされています。

    許可取消し=必ず5年間再取得できない、ではない

    許可取消処分について特に注意したいのが、再取得との関係です。

    取消処分を受けた場合に、常に一律で5年間許可を取得できなくなるわけではありません。

    建設業法第8条の欠格要件や第29条の4の営業禁止の規定との関係は、取消しの原因によって異なります。

    例えば、不正の手段によって許可を受けたことなどを理由とする取消しと、許可要件を満たさなくなったことによる取消しでは、その後の扱いが同じとは限りません。

    そのため、取消処分を検討する際には「取消しになったか」だけでなく、「第29条のどの取消事由に該当したのか」を確認することが重要です。

    処分を受けた後も施工できる工事がある

    営業停止処分や許可取消処分を受けた場合でも、処分前に締結された請負契約に係る建設工事については、建設業法第29条の3により施工を継続することが認められています。

    これは、処分によって施工中の工事まで直ちに中止させることで、注文者などに不利益が生じることを避けるための規定です。

    ただし、処分後も新たな建設工事について営業活動を続けられるという意味ではありません。 営業停止期間中は、新たな建設工事の請負契約を締結することはできず、その契約締結に関連する入札、見積り、交渉等も行うことができません。

    また、処分前に締結した契約であっても、工事の追加に係る契約変更については、施工上特に必要があると認められるものを除き、営業停止期間中に行うことはできません。

    したがって、営業停止処分を受けた場合には、「既に契約している工事の施工を継続できること」と「新たな営業活動ができること」を明確に区別する必要があります。

    罰金や許可取消を回避する具体策を実務目線で解説

    最優先は「許可要件が現在も維持できているか」の確認

    建設業許可の管理では、更新期限だけを管理していても十分ではありません。

    許可を取得した後も、経営業務の管理責任者等、営業所技術者等、財産的基礎、営業所など、許可に関係する事項を継続的に管理する必要があります。

    特に注意したいのは人の異動です。

    役員や営業所技術者等の退職・異動がある場合は、変更届の期限を確認する前に、変更後も許可要件を満たすことができるかを確認してください。

    後任者がおらず許可要件を満たさなくなった場合には、単なる届出の問題ではなく、許可取消事由に該当することになります。

    決算変更届は毎年4か月以内に提出する

    決算変更届は、事業年度終了後4か月以内に提出する必要があります。

    毎年提出する書類であるため、担当者の記憶だけに頼らず、決算確定から決算変更届の提出までを年間スケジュールに組み込んでおくことが重要です。

    特に、連結決算を行っている会社や上場会社、複数の事業や営業所を抱える会社などでは、社内の決算手続や監査、関係部署との調整に時間を要し、事業年度終了後4か月以内という期限が実務上かなりタイトになることがあります。

    しかし、会社側の決算スケジュールがタイトであることを理由に、建設業法上の提出期限が当然に延長されるわけではありません。そのため、決算確定後に初めて準備を始めるのではなく、工事経歴書に必要な工事資料の整理など、決算確定前から準備できるものは先行して進めておくことが重要です。

    また、経営事項審査を受ける会社では、決算変更届の内容がその後の経審にもつながります。単に期限内に提出するだけでなく、工事経歴書や財務諸表の内容に誤りがないかを確認し、決算担当者、工事担当者、税理士、行政書士などの間で早めにスケジュールを共有しておくとよいでしょう。

    兵庫県の監督処分基準でも、建設業法第11条違反は指示処分の対象として具体的に挙げられているため、「更新時にまとめて提出すればよい」と考えず、毎年度期限内に提出することが重要です。

    契約前に許可業種と請負金額を確認する

    無許可営業を防ぐためには、契約締結後ではなく、見積りや受注の段階で許可の確認を行うことが重要です。

    最低限、次の事項を確認する仕組みを作っておくとよいでしょう。

    ・自社が取得している許可業種で請け負える工事か

    ・実際に営業活動を行う営業所が、その業種について許可に係る営業所となっているか

    ・軽微な建設工事の範囲を超えていないか

    ・建築一式工事と専門工事を混同していないか

    ・注文者から材料の提供を受ける場合、その材料価格を含めた請負代金の判断に問題がないか

    ・下請契約の総額から、特定建設業許可が必要となる工事ではないか

    特に注意したいのは、「会社としてその業種の許可を持っているから、どの営業所でも営業できる」「金額が軽微な建設工事の範囲内なら問題ない」とは限らないことです。複数の営業所を設けている会社では、営業所ごとにどの建設業を営業するのかについても確認する必要があります。

    また、営業担当者が受注した後に許可の問題が判明すると、契約内容の変更や受注辞退が必要となる場合があります。そのため、営業担当者だけに判断を任せず、一定金額以上の見積りや新しい工種を受注する場合には、契約前に許可担当者へ確認するなどの社内ルールを設けておくことが有効です。

    社内の法令遵守体制と情報共有の仕組みを整える

    建設業法違反を防ぐためには、許可担当者だけが制度を理解していても十分ではありません。

    建設業者の日常業務では、営業部門が請負契約を締結し、工事部門が技術者を配置し、人事部門が役員や従業員の異動を管理するなど、建設業許可や建設業法に関係する情報が複数の部署に分かれていることがあります。

    例えば、営業所技術者等の退職を人事部門だけが把握していた、営業担当者が許可業種を確認せずに工事を受注した、工事部門が主任技術者・監理技術者の配置要件を確認していなかった、といった場合には、それぞれの担当者だけでは問題に気付かないことがあります。

    そのため、役員や技術者の異動、新しい工種の受注、一定金額以上の工事、営業所の新設・移転など、建設業許可や建設業法に影響する事項については、事前に許可担当者へ情報が集まる社内ルールを設けておくことが重要です。

    あわせて、請負契約書の法定記載事項、帳簿の作成・保存、営業所や工事現場での標識の掲示など、日常的に守る必要がある事項についても定期的に点検しておくとよいでしょう。兵庫県の監督処分基準でも、第19条の請負契約に関する規定や第40条の標識の掲示に関する規定などへの違反は、指示処分の対象として具体的に挙げられています。

    法令違反が起きてから対応するのではなく、会社の中で重要な情報が適切な担当者に共有され、契約や人事異動などを実行する前に確認できる体制を作っておくことが、行政処分を防ぐための有効な対策です。

    行政から連絡があった場合は放置しない

    届出漏れや法令違反について行政庁から照会や是正を求められた場合、最も避けなければならないのが、そのまま放置することです。

    まず事実関係を確認し、何が問題とされているのか、どの条文に関係するのか、いつまでに何を提出・是正する必要があるのかを整理します。事実誤認がある場合には、その根拠となる資料を準備して説明する必要があります。

    違反が確認された場合には、速やかに違反状態を是正するだけでなく、なぜ違反が発生したのかを確認し、同じ違反を繰り返さないための再発防止策を講じることが重要です。

    特に、正式な指示処分を受けた後の対応には注意が必要です。 兵庫県の監督処分基準では、指示の内容を実行しなかった場合や、指示処分を受けた日から3年を経過するまでの間に、指示に違反して再び類似の不正行為等を行った場合には、情状を重くみて営業停止処分を行うこととされています。

    したがって、「指示処分だから営業停止より軽い」と考えて対応を後回しにするのは危険です。一度指摘された違反については、是正したことを確認するだけでなく、社内ルールや確認体制まで見直し、同じ違反を繰り返さないことが重要です。

    建設業許可手続きセンター (行政書士こうべ元町事務所)

    該当ガイドラインを熟知した行政書士が、全国の建設業を営む皆様のご相談を受け付けています。建設業許可の申請や業種追加など、円滑な業務を支えるための複雑な手続きをサポートする事務所を兵庫に構えています。

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