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神戸市の工事等級格付とは?令和6・7年度の入札戦略を徹底解説!

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神戸市の工事等級格付とは?令和6・7年度の入札戦略を徹底解説!

神戸市の工事等級格付とは?令和6・7年度の入札戦略を徹底解説!

2025/05/14

こんにちは、今回は、神戸市が実施している「工事請負競争入札参加資格」に関する【等級格付制度】について、令和6・7年度の最新情報をもとに詳しくご紹介します。市内の公共工事を受注したい建設業者にとっては必読の内容です!

 


 

■ そもそも「等級格付」ってなに?

等級格付とは、神戸市が行う工事請負の競争入札において、参加業者の実績や能力に基づいてランク付け(A~Dなど)を行う制度です。この等級が高いほど、大きな金額の工事に参加できる仕組みになっています。格付の対象となる業種は以下の6つです。

対象業種(登録業種):

  • 土木一般

  • 建築一般

  • 電気一般

  • 管一般

  • 造園一般

  • 舗装

  •  


 

■ 格付けの前提条件:地元要件

神戸市では「地元業者」または「準地元業者」でなければ、等級格付そのものが受けられません。

  • 地元業者:本店が神戸市内にある会社

  • 準地元業者:支店・営業所が神戸市内にある会社(本店が市外)

 

■ 補足:格付がなくても参加可能な工事はあるのか?

神戸市の入札制度では、格付が必要な工事(制限付き一般競争入札など)と、格付が不要な少額工事随意契約による案件が存在する場合もあります。しかしそれらは案件数が限られ、主に「市内業者の育成・優遇」の方針が強く反映されています。

 


 

■ 格付の構成:客観点数+主観点数

格付における評価点数(総合点数)は以下のとおりです。

総合点数(A) = 客観点数(B) + 主観点数(C)

◎客観点数(B):経営事項審査(経審)の総合評定値

  • 土木一般や建築一般の場合、「土木一式」や「建築一式」などの経審点数を使用。

  • 審査基準日は令和4年5月31日以降のものが有効。

◎主観点数(C):以下10項目の加点・減点

評価項目 点数内容
①最高実績点数 過去5年間の完工実績最大金額を点数化(最大100点)
②平均成績点数 工事成績(評価点と件数)の平均による点数(最大100点)
③地元点数 本店が神戸市内の場合、経審点数の10%(切り捨て)
④障害者雇用 雇用率達成企業(10点)
⑤環境認証 KEMSやISO14001の取得(10点)
⑥ISO9001取得 施工が適用範囲に含まれるISO取得(10点)
⑦災害協定 市と災害協定を締結している場合(50点)
⑧次世代・女性活躍 ミモザ認定・くるみん認定等により最大10点
⑨消防団協力 市消防団協力事業所の認定あり(10点)
⑩協力雇用主 保護観察対象者等の雇用実績(10点)
⑪指名停止点数 過去2年間の指名停止月数×10点(減点)


 

■ 実際の等級の決まり方と参加可能な工事規模

格付けの結果、総合点数に応じて等級(A〜Dなど)と発注標準金額が定められています。例えば「土木一般」では以下のとおりです。

等級 総合点数 完工高要件 特定建設業許可 発注標準金額の目安
A 1130点以上 4億円以上 必要 7,000万円~
B 950~1129点 2億円以上 必要 3,500万円~2億円
C 840~949点 8千万円以上 不要 1,000万円~1億円
D ~839点 要件なし 不要 ~5,000万円

※建築一般や電気一般など、業種ごとに必要点数や完工高要件が異なります。

 


 

■ 加点のコツと戦略的準備

「経審」だけではなく、主観点でどれだけ加点を取れるかがAランク獲得のカギ。たとえば――

  • ISO取得は必須級!
    ISO9001・14001の認証取得が10点ずつ加点されます。まだ未取得であれば今から準備しましょう。

  • 災害協定の加入で一発50点!
    神戸市と災害協定を結べば、なんと50点という高得点。一気にランクアップも狙えます。

  • 工事成績が地味に効く!
    過去5年の完工工事の成績と件数で成績点が加点されます。公共工事を数多くこなすことが重要です。

 

■ 神戸市の工事成績とは?

「工事成績」とは、過去に神戸市の契約監理課が発注した工事(※後述の除外要件あり)について、完成後に評価された施工成績(点数)とその件数をもとに、加点または減点がなされる仕組みです。

これが、主観点数(C)の中の「平均成績点数(②)」として、総合点数に組み込まれます。

 


 

 

■ 工事成績点数の対象期間

対象となる工事は、以下のとおりです。

平成31年(2019年)1月1日~令和5年(2023年)12月31日までの5年間

この5年間に完了した工事の「平均成績」と「件数」が点数に換算されます。

 


 

■ 評価の対象となる工事

加点対象となるのは、次の条件を満たす工事です。

  • 神戸市契約監理課が入札により発注した工事

  • 対象業種(希望業種)に該当するもの

  • 完了日が上記5年間に該当

除外される工事(評価対象外):

  • 単価契約工事

  • 特定建設工事共同企業体による工事

  • 随意契約による工事

  •  


 

■ 点数計算の方法

神戸市は、成績点(例:75点など)と実績件数(例:3件)を2軸で評価します。

【別表3:平均成績点数表】により、以下のように点数が決定します:

平均成績 0件 1件 2件 3件以上
~49.9点 0 -50 -60 -70
50.0~52.4点 0 -40 -50 -60
52.5~54.9点 0 -30 -40 -50
55.0~57.4点 0 -20 -30 -40
57.5~59.9点 0 -10 -20 -30
60.0~64.9点 0 0 0 0
65.0~67.4点 0 +10 +20 +30
67.5~69.9点 0 +20 +30 +40
70.0~72.4点 0 +30 +40 +50
72.5~74.9点 0 +40 +50 +60
75.0~77.4点 0 +50 +60 +70
77.5~79.9点 0 +60 +70 +80
80.0~82.4点 0 +70 +80 +90
82.5~84.9点 0 +75 +85 +95
85.0点以上 0 +80 +90 +100

例1:3件の工事で成績平均が78.0点

→ 80点加点

例2:1件だけで成績が72点

→ 40点加点

例3:2件の平均が53点

→ 40点減点

 


 

■ 工事成績を上げるための戦略

工事成績の評価は点数に大きく反映され、最大100点の加点、最大70点の減点があり得る非常に重要な要素です。したがって以下の点に注意しましょう。

① 成績点の向上

  • 施工管理や安全管理の徹底

  • 工期遵守、品質確保、行政との連携強化

② 対象件数の確保

  • 3件以上の評価が欲しい

  • 少額でもいいので「対象期間内に複数の入札工事」を完了させることが加点の鍵

 


 

■ 入札参加のための実務アドバイス

  • 経審の更新タイミングに注意!
    審査基準日は「令和4年5月31日以降のもの」でなければ無効。早めの更新が必要。

  • 格付審査前にISOや災害協定等の取得申請を!
    加点対象となる制度は、審査基準日時点で取得・登録済みであることが条件です。

  • 指名停止歴が命取りに
    過去2年間に神戸市から指名停止を受けた場合、大幅減点のリスクも。コンプライアンス重視で日常の運営を!

  •  


 

■ まとめ:地元業者の入札強化は格付次第!

神戸市の公共工事を狙うなら、単に建設業許可を持っているだけでは不十分。等級格付の仕組みを深く理解し、戦略的に加点対策を講じることで、上位等級を獲得し、高額工事の受注が現実のものになります。

特に「主観点の積み上げ」と「経審のスコアアップ」を両輪に、万全の準備をしておきましょう!

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