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令和7・8年度 宝塚市物品指名願について簡単解説

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令和7・8年度 宝塚市物品指名願について簡単解説

令和7・8年度 宝塚市物品指名願について簡単解説

2025/05/09

はじめに

宝塚市では、市役所本庁をはじめ、上下水道局、市立病院といった市の関係機関が発注する物品の納入業務や、清掃・警備・機器保守・委託業務などの役務提供業務について、一般競争入札または随意契約の形式で発注を行っています。これらの契約に参加するためには、あらかじめ市が定めた手続きに従い、所定の「入札参加資格審査申請書(通称:指名願)」を提出し、審査を経て登録業者名簿に登載される必要があります。登録が完了していない事業者は、たとえ市内に本店や営業所があっても、市からの入札や見積依頼を受けることはできません。

この名簿登録制度は、入札の透明性と公平性を確保し、市と継続的な取引関係を築くにあたっての入口であると同時に、事業者としての信用力や実務能力を証明する機会でもあります。特に、地元企業や中小規模の事業者にとっては、行政との安定的な契約を確保し、地域経済の一翼を担ううえで非常に重要な制度となっています。

今回の申請は、令和7年(2025年)5月8日(木)から同月22日(木)までの期間に受付が行われるもので、登録された業者は令和7・8年度(2025・2026年度)の契約案件において名簿に登載され、随時発注される物品・役務契約の対象となります。このわずか2週間の申請期間を逃してしまうと、2年間にわたる契約機会を逸してしまうことになるため、申請漏れや書類不備には十分な注意が必要です。

本記事では、宝塚市が公表している最新の「入札参加資格審査申請要領(物品等)」および「Q&A資料」に基づき、制度の基本から、電子申請の方法、書類準備、よくある質問、審査後の流れまでを実務目線で詳しく解説します。これから申請を行う事業者の方々が、自信を持って確実に手続きできるよう、ポイントを丁寧に整理しました。

 

第1章:申請の意義と登録の効果

宝塚市の物品等入札参加資格審査申請(指名願)は、単なる書類審査にとどまらず、市と取引関係を築くための第一歩となる制度です。市が実施する物品購入や業務委託における発注先は、原則として登録業者名簿に記載された事業者の中から指名されるため、登録されていなければ事実上契約の機会は得られません。この制度は、市民の税金で行われる事業に対して、信頼性・適正性のある事業者を選定するという点で、公共調達の根幹に関わる極めて重要な要素です。

また、名簿登載の有無は、事業者としての対外的信用にも直結します。とくに他の自治体や民間企業からも「宝塚市登録業者」であることが一定の安心材料と受け止められる場合があり、営業戦略の一環として登録を活用する企業も少なくありません。

登録の有効期間は2年間とされており、今回の申請では令和7・8年度(2025〜2026年度)を対象としています。仮に今回の申請機会を逃してしまうと、次回受付まで原則として2年間待たなければなりません。その間、市の案件に一切参加できなくなるため、継続的に公共契約を目指す事業者にとっては、タイミングを逃さないことが何よりも重要です。

登録された後も、指名を受けるかどうかは、市の発注者側が業務実績や信頼性、営業所の立地などをもとに個別に判断します。したがって、単に登録されたというだけで安定的に受注できる保証はありませんが、それでも名簿に登載されていなければ、スタートラインにすら立てないのです。

このように、登録制度は事業者にとって非常に大きな意味を持ち、市との信頼関係を築く第一歩であり、地域との関わりを強める有効な手段でもあります。

 

第2章:対象業務と申請区分の具体的内容

宝塚市の入札参加資格申請では、申請する業務の種類によって、いくつかの申請区分が設定されています。これは、市が発注する業務の多様性に対応し、適切な事業者が適切な業務に応札できるよう整理された仕組みです。事業者は、自社の事業内容・営業実績に基づいて該当する区分を選び、その業種で登録されることを目指します。

主な区分は、大きく「物品納入」と「役務提供」の2つに分かれます。物品納入とは、たとえば文房具や什器、コピー用紙、制服、清掃用具、医療用品など、市が日常的に必要とする物品を納める業務です。一方、役務提供は、清掃業務、警備業務、OA機器や空調機器の保守点検、設備点検、コピー機リース、パソコン管理など、人的・技術的サービスの提供を含む業務全般を指します。

申請時には、各事業者が申請できる区分の数に制限はありません。ただし、申請した区分すべてについて、事業実態と実績が伴っていなければなりません。提出書類には、入札参加資格審査申請書、使用印鑑届、印鑑証明書、登記簿謄本または履歴事項全部証明書、納税証明書(国税・市税)、財務諸表等の必須書類があり、これらを正確に整えることが審査通過の前提となります。これら書類の整合性や実態との一致が取れていない場合、審査上の不利や再提出の対象となる可能性があるため注意が必要です。

また、建設工事・建設関連業務(とび・土工、管工事など)については、別制度である「建設工事等入札参加資格審査」が設けられており、本指名願とは完全に別枠です。事業者が建設業も並行して行っている場合は、それぞれの制度に基づいた申請が必要になります。

なお、実務では1社が複数の業務区分にまたがることも多いため、宝塚市では提出書類をファイリング等で区分ごとに仕分けて申請することを求めています。Q&Aにもあるように、同封する書類には付箋やクリアファイルなどで業種区分を明確に分けることで、審査をスムーズに行えるよう配慮が必要です。

このように、申請区分の選定は事業内容を正確に反映するものでなければならず、単なる希望や拡大志向だけではなく、具体的な証明資料に裏付けられた実績重視の視点で臨むことが、登録の可否を左右する要素となります。

 

第3章:申請スケジュールと手続きの流れ

宝塚市の入札参加資格審査申請(指名願)には、年度ごとに明確な受付スケジュールが定められており、原則として毎年1回、指定された期間内にしか申請を受け付けていません。今回対象となるのは「令和7・8年度(2025〜2026年度)」であり、その申請受付期間は令和7年5月8日(木)から5月22日(木)までの2週間に限定されています。この期間を過ぎるといかなる理由があっても受付は行われず、次の機会まで待たなければならないため、スケジュール管理は極めて重要です。

申請は原則として「電子申請」および別送書類の郵送によって行います。兵庫県の電子申請共同運営システムを利用し、必要事項を入力後、登記事項証明書や納税証明書などの別送書類を郵送で提出します。なお、インターネットの利用が困難な場合に限り、例外的に「書類のみの申請」も認められていますが、この場合でも提出方法は郵送に限られ、持参による受付は一切行われていません。申請者はいずれの方法を選ぶにしても、郵送での提出が基本である点に十分留意する必要があります。

電子申請を行う際には、まずシステムへのID・パスワード登録が必要です。その後、システムにログインし、事業者情報や業種選択、添付書類情報などを入力して送信します。送信完了後、別送が必要な書類(例:登記事項証明書、納税証明書など)を期日内に郵送で提出する流れとなります。電子申請と郵送の2段構えの準備が求められるため、時間的余裕を持った対応が必要です。

一方、紙申請の場合には、申請書一式を作成し、添付書類とともに封筒にて宝塚市役所 総務部 契約課に送付します。この場合、返信用封筒(宛名明記・切手貼付済)を同封しなければ審査結果の通知が受け取れないため、細部の確認が重要です。なお、送付の際は追跡可能なレターパックや簡易書留の利用が推奨されています。

また、Q&Aに記載されている通り、申請にあたっては申請書類を業種ごとにファイリング・分類して送付することが望ましいとされており、審査の迅速化と誤認防止につながります。

このように、宝塚市の指名願申請には、オンラインとオフラインの両側面からの丁寧な対応が求められ、申請者のスケジュール管理能力や書類整備能力が問われる手続きといえるでしょう。

 

第4章:提出書類の種類と記載時の注意点

宝塚市の入札参加資格審査申請においては、必要な書類が詳細に指定されており、それぞれの書類に求められる形式や内容を満たさなければ、審査の対象とされない、あるいは修正・再提出を求められることになります。正確な提出書類の把握と、丁寧な記載が申請成功の大きなカギを握ります。

まず基本となるのは「申請書(様式1)」であり、法人・個人問わずすべての申請者が記入する必要があります。ここでは、商号、代表者氏名、所在地、連絡先、資本金、従業員数、取引希望種目などを記載します。誤記があった場合には、申請後の修正ができないため、事前に控えなどで確認しながら作成することが重要です。

また、「使用印鑑届(様式4)」も、すべての申請者が提出することになります。これには実印の押印が必要であり、電子申請であっても原本の提出が求められます。

添付書類については、法人の場合には「登記事項証明書(3ヶ月以内)」、個人の場合には「代表者の身分証明書」が必要です。さらに、納税証明書(国税・宝塚市税)については、それぞれに指定された発行日以降のものが条件とされています(たとえば市税は2025年4月8日以降発行分が有効)。発行日が古いものを誤って提出すると無効とされるため注意が必要です。

その他、営業許可証(該当業種のみ)、会社案内、過去の契約実績表など、事業の信頼性を証明する資料も添付が推奨されています。とくにセールスポイントや保有資格、設備機器の状況など、アピールできる点は自由記載欄や別紙に記載し、積極的に情報提供を行うことが望まれます。

提出時には、申請書類を市の指定する順番で揃え、クリップや透明フォルダで仕分けることが求められています。このように、単に書類を揃えるだけでなく、内容の整合性、期限内の発行、記載内容の正確性、体裁の整備といった多方面にわたる注意が求められる点を理解し、万全の準備で臨むことが肝要です。

 

第5章:電子申請の手順とよくあるトラブル対策

宝塚市の令和7・8年度入札参加資格審査申請では、原則として電子申請が導入されています。これにより、申請の利便性が向上する一方で、初めて電子申請を行う事業者にとっては操作方法や不慣れなシステムによるトラブルが発生するケースも少なくありません。この章では、電子申請の基本的な流れと、実際に起きやすいトラブル、その回避策について詳しく解説します。

まず、電子申請には「兵庫県電子申請共同運営システム」への事前登録が必要です。IDとパスワードを取得した上で、インターネット上から申請手続画面にアクセスし、事業者情報、希望業種区分、従業員数、資本金などを入力していきます。登録にはメールアドレスが必要で、入力内容にミスがあると修正が困難なため、すべての情報をあらかじめ整理してから操作することが推奨されます。

電子申請後に提出が必要な書類(登記簿謄本や納税証明書など)は、別途「郵送」で提出する必要があります。電子で申請したからといって、すべてが完了するわけではなく、紙媒体で補完する書類があることに注意が必要です。Q&Aによれば、「別送」と選択した書類を送付しないと、審査自体が行われないケースもあるため、送付漏れや書類の不備は致命的です。

また、電子申請で入力を誤ってしまった場合、その内容は一度送信されると原則として修正できません。修正を希望する場合は「申請取り下げ」の手続きを行ったうえで再度申請するか、郵送にて訂正依頼書を添えるなどの対応が求められます。システム上のエラーや不具合に関しては、兵庫県電子申請ヘルプデスクが設置されており、専用窓口(0120-96-9068)で相談できます。

一方で、インターネット環境がないなどの理由で電子申請が困難な事業者に対しては、紙による郵送申請も例外的に認められています。その場合でも持参提出は不可で、必ず郵送する必要があります。

全体として、電子申請は正確な事前準備と段取りが重要です。入力内容を保存する、別送する書類をチェックリスト化するなどの対応を行うことで、ミスや漏れを未然に防ぐことができます。制度の利便性を活かすためにも、電子申請の正しい運用を身につけることが、今後の公共調達への安定的な参加の第一歩となるでしょう。

 

第6章:審査・名簿登載・その後のフォローアップ

入札参加資格の申請を終えた後、事業者は審査を経て、正式に名簿への登載が行われます。これは単なる事務的手続きではなく、市が一定の基準をもとに事業者の適格性を評価し、今後の契約候補者としてふさわしいかどうかを判断する重要なプロセスです。ここでは、審査から名簿登録、その後の注意点やフォローアップについて詳しく解説します。

まず、提出された申請内容および添付書類は、宝塚市役所 総務部 契約課により内容確認が行われます。商号・代表者・所在地・印鑑の整合性や、納税証明書・登記簿などに不備がないか、事業実態があるかどうかなど、形式的・実質的な審査が進められます。不備や疑義がある場合には、問い合わせや書類の差し替え依頼が行われることがあり、その場合には速やかな対応が求められます。

審査完了の公表・通知については電子申請者には書面での個別通知はなく、インターネット上での自己確認が必要です。紙申請者には返信用封筒を通じて通知が届きます。

登録が認められた場合、事業者は「令和7・8年度の物品等指名競争入札参加資格者」として、名簿に登載されます。この名簿は、令和7年(2025年) 7月1日以降に宝塚市ホームページで公開される予定なので、個々での確認が必要になります。

名簿への登載が完了すると、各担当課が発注する物品・役務契約の際、登録業者の中から適格な事業者が指名され、入札または見積合わせが行われるようになります。ただし、名簿登載イコール契約確約ではなく、過去の契約履行状況、信頼性、地域性、対応力などを総合的に考慮したうえでの選定となるため、常に受注できるとは限りません。

また、申請後に「代表者の変更」「所在地の移転」「商号変更」などが発生した場合には、速やかに変更届を提出する必要があります。これを怠ると、登録情報が無効化されたり、指名から除外されることもあるため注意が必要です。

さらに、名簿に登録された事業者には「契約における誠実な履行」が求められ、納期の遅延、品質不良、不適切な対応があった場合には、契約不履行として指名停止や除名措置が講じられることもあります。名簿登載後も、良好な契約履行が継続されてこそ、将来の指名や継続登録につながるといえるでしょう。

以上のように、申請後の対応やアフターフォローを怠らず、常に情報の更新と誠実な対応を継続することが、長期的に市と良好な契約関係を築くうえでの基本姿勢となります。

 

第7章:申請ミスを防ぐための実務的アドバイス

入札参加資格審査申請は、決して難解な制度ではありませんが、毎年少なからず「書類不備」や「申請ミス」により審査保留や却下となってしまうケースが発生しています。特に初めて申請する事業者や、担当者が変更された企業では、書式の誤用や添付書類の不備など基本的なミスが起きやすくなります。この章では、申請における典型的なミスと、それを未然に防ぐための実務的なアドバイスをまとめます。

まず最も多いのが、「添付書類の有効期限切れ」です。登記事項証明書や納税証明書には、明確に「○か月以内」といった提出条件が設定されており、たとえば宝塚市税の納税証明書については「2025年4月8日以降の発行分に限る」などの規定があります。発行日を見落として、数日でも古い証明書を添付すると無効扱いとなります。

次に多いのが、「記入ミスや記載漏れ」です。法人番号や代表者氏名、住所、押印漏れなど、ちょっとした不備でも審査に進めない原因になります。特に電子申請の場合、送信後の修正が基本的にはできないため、提出前に必ず印刷してチェックする、上司や同僚によるダブルチェックを行うなどの社内体制づくりが効果的です。

三点目は「区分の誤認」です。建設関連業務は別途の申請制度があるにもかかわらず、誤って物品等申請で提出してしまう事例が見られます。また、希望業種の選定も、過去の取引実績と矛盾する内容で申請した場合には否認の対象となり得ます。セールスポイントや実績欄は「あるがままに」記載する姿勢が求められます。

そのほか、「電子申請時のID・パスワード管理ミス」「返信用封筒の同封忘れ(紙申請時)」「申請期間の失念」など、ヒューマンエラーによる不備も散見されます。

これらを防ぐための実務的な方法として、以下の点が有効です。

・提出物チェックリストの活用

・過去申請書類のファイリング・保存

・社内での引継ぎマニュアル作成

・市公式サイトやQ&Aを事前によく読む

・電子申請は余裕を持って開始する(締切当日避ける)

事務的な申請であるからこそ、ひとつのミスが全体を台無しにすることがあります。だからこそ、事前準備・社内確認・外部確認の三段階で対策を講じ、確実な申請につなげることが望まれます。

 

おわりに

宝塚市の物品等入札参加資格審査申請(指名願)は、単なる形式的な登録制度ではなく、事業者にとっては市と継続的な契約関係を築くための大切な出発点です。本記事を通じて見てきたように、申請には事前の準備、的確な書類作成、制度の理解、さらには登録後の誠実な履行が一体となって求められます。これはすなわち、制度そのものが「信頼される事業者」としての姿勢と能力を問うているということでもあります。

申請受付は原則年1回、指定された期間のみとされており、これを逃してしまえば2年間にわたって公共契約の機会を失うことになります。その意味でも、毎年度のスケジュール把握と社内での早期準備が欠かせません。書類の不備や手続きのミスによるチャンス喪失は、企業活動における大きな損失に繋がりかねません。

また、名簿に登載された後も気を抜くことはできません。代表者変更や住所変更、営業所の移転、会社名変更といった事項が発生した際には「変更届」の提出が義務付けられており、これを怠ることで登録が無効になるリスクもあります。さらには、過去の契約履行が不誠実であれば、次年度の申請に影響を及ぼす場合もあり、常に「契約を果たす姿勢」が評価対象となるのです。

電子申請の普及により、申請の利便性は向上していますが、それに伴う入力ミスや操作エラーのリスクも増しています。IT環境が整っていない事業者にとっては不安もあるかもしれませんが、ヘルプデスクの利用や外部委託(行政書士などの専門家)など、自社に合った方法で確実に手続きを行うことが肝心です。

最後に、宝塚市が毎年発行している「要領」や「Q&A」は、実務者にとっての最良のガイドラインです。これらを丁寧に読み解き、疑問点は市担当課に早めに問い合わせるなど、積極的な姿勢で臨むことが、スムーズな申請と信頼構築の近道になります。

本記事が、宝塚市との公共契約を志すすべての事業者の皆さまにとって、少しでも実務的な支えとなれば幸いです。

 

📚 参考文献一覧(宝塚市 令和7・8年度 指名願関連

1. 『令和7・8年度 宝塚市入札参加資格審査申請要領(物品等)』

発行元:宝塚市 契約管財課

公開年:令和6年(2024年)

対象期間:令和7・8年度(2025〜2026年度)

2. 『令和7・8年度 宝塚市物品等指名願 申請に関するQ&A』

発行元:宝塚市 契約管財課

公開年:令和6年(2024年)

 

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